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経理代行・記帳代行

記帳代行と経理代行の違いとは?業務範囲・費用・選び方を解説

執筆: 4649編集部

記帳代行と経理代行の違いは、任せられる業務の範囲です。記帳代行は領収書や通帳から仕訳を起こして会計ソフトに入力する「記帳」だけを外注するサービス。経理代行は記帳に加えて、支払・請求書発行・経費精算・月次決算といった経理業務全般を外注するサービスです。

名前が似ているため混同されがちですが、頼める範囲も費用も大きく異なります。この記事では両者の違いを整理し、自社がどちらを選ぶべきかの判断基準まで解説します。

結論:違いを一覧表で比較する

記帳代行経理代行
任せる業務仕訳の入力(記帳)のみ記帳+支払・請求・経費精算・給与計算・月次決算など
渡すもの領収書・請求書・通帳のコピーなど上記に加えて請求データ・経費申請・支払依頼など
納品物仕訳が入力された会計データ会計データ+支払処理・月次レポートなど
費用の目安仕訳数に応じた従量制が中心業務範囲に応じた月額制が中心
向いている会社経理担当はいるが入力作業を減らしたい経理担当を置かずに経理を回したい

一言でいえば、記帳代行は「作業の外注」、経理代行は「機能の外注」です。以下、それぞれの中身を具体的に見ていきます。

記帳代行が引き受けるのは「仕訳の入力」まで

記帳代行に渡すのは、領収書・請求書・通帳のコピーといった取引の証憑です。代行会社はそれを読み取り、会計ソフトに仕訳として入力します。

たとえば 11 月分として通帳のコピーとレシートの束を渡すと、

11/10 消耗品費 3,280円 / 現金 3,280円 (○○商店・事務用品、レシートより)

のような仕訳が入力された会計データが納品される、というのが基本の流れです。

ここで注意したいのは、記帳代行の納品物は「会計データ」であって「締まった月次」ではないという点です。売掛金・買掛金の残高が合っているか、前払費用の振替が済んでいるか、といった月次決算の作業は範囲外のことが多く、そこは自社の経理担当か顧問の会計事務所が担うことになります。

なお、法人は帳簿や証憑を原則 7 年間保存する義務があります(国税庁タックスアンサー No.5930「帳簿書類等の保存期間」)。記帳を外注しても保存義務は自社に残るため、証憑の原本やデータの保管ルールは契約時に確認しておきましょう。

経理代行は「日々のお金まわり」まで広がる

経理代行の範囲は記帳を含みつつ、経理部門が担う実務全体に広がります。典型的には次のような業務です。

たとえば請求業務なら、毎月 20 日締めで請求書を発行し、入金を振込名義と請求書番号で突合、名義が一致しない入金は保留リストに落として確認する——という日々の運用そのものを引き受けます。つまり「経理担当者を 1 人雇う代わりに、経理という機能ごと外に持つ」のが経理代行です。経理の採用が難しい、あるいは 1 人経理の退職リスクを抱えたくない会社が主な利用者になります。

範囲が広いぶん、どこからどこまでを任せるかの設計が品質を左右します。「支払は自社の承認を挟む」「経費精算のチェックだけ任せる」といった分担は契約時に細かく決められるので、全部を丸ごと渡す前提で構える必要はありません。

外注のメリットと、見落としがちなデメリット

外注の利点としてよく語られるのは人件費の削減ですが、実務で効いてくるのはむしろ次の 2 点です。

一方で、デメリットも実務目線で押さえておく必要があります。

デメリットの多くは外注そのものではなく、外注先の選び方と運用設計の問題です。次の費用とあわせて、選定時に確認しておきましょう。

費用の考え方:従量制か、月額制か

費用体系にも違いが出ます。

記帳代行は仕訳数に応じた従量制が中心です。1 仕訳あたり 50〜100 円程度の単価設定が多く(2026年8月時点、各社が公開している料金表を比較した目安)、月 100 仕訳なら数千円〜1 万円前後が一つの目安になります。取引量に比例するため、事業規模が小さいうちは安く済みます。なお、この単価は標準的な仕訳を前提にした水準で、部門別・セグメント別の管理項目を仕訳ごとに入力するような複雑な記帳では単価が上がります。

経理代行は業務範囲に応じた月額制が中心です。任せる業務の組み合わせ次第で月数万円から数十万円まで幅があります。比較するときは金額の大小だけでなく、「その金額で経理担当の人件費・採用コスト・退職リスクをどこまで置き換えられるか」で判断するのが実務的です。

いずれも各社の料金体系や取引量によって大きく変わるため、上の数字はあくまで目安として、複数社の見積もりで確認してください。

どちらを選ぶべきか:判断基準は「社内に経理機能を残すか」

選び方はシンプルに整理できます。

  1. 社内に経理担当がいて、入力作業だけ減らしたい → 記帳代行。担当者は月次の締めと数字の分析に集中できます
  2. 経理担当を置かずに(または増やさずに)経理を回したい経理代行。業務範囲を決めて機能ごと外に持ちます
  3. 税務申告まで一括で任せたい → 顧問税理士が窓口になります。税務書類の作成・税務相談は税理士の独占業務のため(税理士法第2条・第52条)、税理士(税理士法人)にしか依頼できません

実際には「記帳と月次決算は経理代行、申告は顧問税理士」のような組み合わせが多く、どちらか一方だけを選ぶ話ではありません。現在の顧問契約はそのまま維持したまま導入できるのが一般的です。導入前に顧問税理士へ役割分担を共有しておくと、決算期のやり取りもスムーズになります。

納期の実例:2 週間の記帳が 1 日に縮まった例

証憑の読み取りから仕訳の起票までを人手で行うフローでは、資料を送ってから納品まで 1〜2 週間かかることが珍しくありません。月初に資料を送って、仕訳が返ってくるのは月の半ば。月次の数字が固まるタイミングは、記帳のリードタイムに引きずられます。

4649記帳代行では、AI が証憑を読み取って仕訳を起こし、専門チームが確認する体制に変えたことで、従来 2 週間かかっていた記帳作業が 1 日に短縮された事例があります(※実際のご利用者様の事例です。納期はボリュームにより異なります)。記帳が早く返ってくる体制になると月次決算の着手も早まり、経営数字を見て手を打つまでのサイクルそのものが変わります。この体制は、会計事務所が顧問先の記帳を抱えている場合にも、事務所の実務を引き受ける形でそのまま使えます(会計事務所向けプラン)。

外注先を選ぶ際は、料金表だけでなく「資料を送ってから何日で返ってくるか」を必ず確認することをおすすめします。記帳の納期は、そのまま月次決算の早さの上限になるからです。


記帳代行と経理代行のどちらが合うかは、社内に経理機能をどこまで残すかで決まります。判断に迷う場合は、現在の経理体制と月の取引量がわかる資料を用意して相談すると、必要な範囲だけを外注する構成を具体的に検討できます。

なお、個別の税務判断(勘定科目の是非や消費税の取扱いなど)は税理士の業務です。個別のケースで判断に迷うときは、顧問税理士にご相談ください。

よくある質問

Q. 記帳代行だけ頼んで、月次決算は自社で行うことはできますか?
できます。仕訳の入力だけを外注し、残高照合や月次レポートの作成は自社の経理担当が行う分担は一般的です。逆に、記帳は自社で行い月次決算の締めだけを外注する形も可能です。
Q. 個人事業主でも経理代行を利用できますか?
利用できます。ただし取引量が少ないうちは記帳代行(仕訳の入力のみ)で足りるケースが多く、費用も抑えられます。請求書の発行や支払管理まで手が回らなくなってきた段階が、経理代行への切り替えの目安です。
Q. 会計事務所と経理代行会社のどちらに頼むべきですか?
税務申告書の作成や税務相談は税理士の独占業務のため、税理士(税理士法人)にしか依頼できません。一方、記帳や支払・経費精算などの経理実務はどちらにも依頼できます。申告や税務判断まで含めて任せたいなら会計事務所、日々の経理実務を業務範囲として任せたいなら経理代行会社、と役割で使い分け、両者を併用するのが実務的です。