経理代行の費用相場【2026年版】法人・個人事業主別の料金と内訳
執筆: 4649編集部
経理代行の費用は、任せる業務の範囲 × 月間仕訳数でほぼ決まります。公開料金表を集計すると、記帳のみなら月100仕訳前後で5,000円〜2万円台、支払や経費精算を含む一部委託で月3〜10万円。月次決算まで含む経理業務全般は、料金を公開している会社がほとんどなく、個別見積もりが中心です。
この記事では、法人・個人事業主それぞれの相場と料金の内訳、そして見積もりを取る前に自社の概算を出す手順まで解説します。相場を「幅」で眺めるだけでなく、自社がその幅のどこに落ちるかを判断できる状態を目指します。
費用相場の早見表
経理代行・記帳代行を提供する事業者のうち、Web 上で料金表を公開している 8 社を集計しました(当社調べ。2026年8月時点、公開料金表8社を集計。税込表記と税別表記が混在するため概数です)。取引量・業務内容のほか、部門別・セグメント別管理の有無といった仕訳の複雑さでも大きく変動するため、必ず個別見積もりで確認してください。
| 委託範囲 | 月額の目安 | 費用体系 |
|---|---|---|
| 記帳のみ(月50仕訳前後) | 3,000〜9,000円 | 件数区分ごとの月額制が中心 |
| 記帳のみ(月100仕訳前後) | 5,000円〜2万円台 | 同上(1仕訳あたりに直すと 50〜200円程度) |
| 記帳のみ(月300仕訳前後) | 1.5〜5万円 | 同上。仕訳数にほぼ比例 |
| 記帳+一部業務(支払・経費精算など) | 3〜10万円 | 業務範囲に応じた月額パック |
| 経理業務全般(月次決算まで) | 公開料金表では確認できない | 個別見積もりが中心 |
同じ仕訳数でも金額に 4 倍前後の開きが出るのは、資料整理をどちらがやるかで料金体系が分かれているからです。集計した 8 社の多くが、自社で証憑を整理してデータで渡す「入力サポート型」と、証憑をそのまま渡せる「丸投げ型」の 2 本立てで料金を出しており、同じ会社の同じ仕訳数でも、丸投げ型は入力サポート型の 1.4〜2 倍でした。見積もりを比べるときは、まず自社がどちらの前提で見積もられているかを揃えてください。
このほか、初期費用(引き継ぎ・環境設定の費用として 0〜数万円)を設定している会社もあります。
業務別の料金目安(内訳)
「記帳+一部業務」の中身は業務単位の積み上げです。業務別の単価目安も押さえておくと、見積もりの内訳を検算できます(同じく当社調べ・公開料金表8社の集計。単位や基本料の有無は会社ごとに異なります)。
| 業務 | 料金の目安 | 課金単位 |
|---|---|---|
| 記帳(入力サポート型) | 50〜120円程度 | 1仕訳あたり |
| 記帳(丸投げ型) | 100〜200円程度 | 1仕訳あたり |
| 給与計算 | 1,000〜2,000円程度+初期設定料 | 従業員1人・月あたり |
| 請求書発行 | 基本料1万円前後+1通500〜1,100円程度 | 1通あたり |
| 振込データ作成・支払代行 | 基本料5,000円〜1万円+1件400〜1,100円程度 | 1件あたり |
| 入金消込 | 基本料3,000〜5,500円+1件110円程度 | 1件あたり |
| 月次決算(締め・レポート) | 単価を公開している会社なし(パックに含むか個別見積もり) | — |
2 点、集計していて気づいたことを添えます。給与計算は人数が少ないほど 1 人あたりが高くなります。1 人 1,000〜2,000円 というのは十数人規模での水準で、1〜5 名の区分では月額固定で 2 万円弱(1 人あたり 4,000円前後)という設定もありました。請求書発行と振込代行は、件数が少ないうちは 1 件あたりが跳ね上がります。11 件目以降は 1 件 400〜500円でも、10 件までは基本料(振込代行で 5,000〜5,500円、請求書発行で 1万〜1.1万円)に含める、という段階設定が目立ちました。少件数で外注する場合、単価表の下限は当てになりません。
なお、経理代行と記帳代行の違いがあいまいな場合は、先に記帳代行と経理代行の違いを読むと、この表の「委託範囲」の意味がつかみやすくなります。
単価が上がるケース:仕訳の複雑さ
上の単価は、一般的な中小企業の標準的な仕訳を前提にした水準です。仕訳そのものが複雑な会社では、単価は上がります。
- 部門別・プロジェクト別・セグメント別の管理:1 つの取引を部門やプロジェクトに配賦し、管理項目を仕訳ごとに入力する場合、入力と確認の手数がその分増え、単価に反映されます。集計した 8 社のうち複数社が「部門別対応」を有料オプションとして公開しており、月100〜200仕訳の区分で月額 +5,500〜11,000円、または月額 +6,000円 という設定でした。基本料金の 3 割前後の上乗せになる例が多く、記帳料の安いプランでは基本料と同額近くになることもあります
- 補助科目・タグの細分化:管理会計のために補助科目や取引先タグを細かく分類しているケースも同様です
- 上場企業(またはその子会社)水準の管理体制:内部統制への対応、証憑との突合水準、監査対応を前提にした記帳は、標準の料金表の範囲を超え、個別見積もりになるケースが多くなります
管理会計の要件がある会社は、料金表の単価をそのまま当てはめず、実際の仕訳サンプルを見せて単価を確認するのが確実です。
費用を決める2つの変数:業務範囲と仕訳数
相場の幅が大きいのは、次の 2 つの変数で金額が動くからです。
1つ目は業務範囲です。記帳だけなら従量制の単価×件数でほぼ線形に決まりますが、支払業務・請求業務・経費精算・月次決算と範囲が広がるほど、月額の固定部分が積み上がります。業務ごとの内訳を出してくれる会社なら、「どの業務にいくら払うのか」が見えます。
2つ目は月間仕訳数です。同じ「記帳のみ」でも、月 50 仕訳の会社と月 1,000 仕訳の会社では金額が桁で変わります。自社の仕訳数を知らずに見積もりを取ると、相場と比べようがありません。
自社の概算を出す手順
見積もり前に、次の手順で概算を出せます。
- 月間仕訳数を数える:会計ソフトの仕訳帳(仕訳日記帳)で先月 1 ヶ月の件数を確認します。繁忙月と閑散月で差が大きい場合は、直近 3 ヶ月の平均を取ります
- 記帳部分を概算する:仕訳数 × 50〜120 円(証憑を自社で整理してデータで渡す場合)、または × 100〜200 円(証憑をそのまま渡す場合)。標準的な仕訳を前提とした水準で、部門別管理などがあれば上振れを見込みます。月 200 仕訳なら 1〜4 万円がレンジです
- 業務を足す:支払・請求・経費精算・給与計算・月次決算のうち任せたい業務を挙げ、1 業務あたり月数万円の固定費が乗ると見込みます
- 比較の物差しを作る:出てきた概算を「経理担当を採用した場合の月額コスト」と並べます。たとえば月給 25 万円の採用なら、社会保険料の会社負担を加えて月 29 万円弱。ここに採用費と、戦力化するまでの教育期間の人件費が乗ります。この総額と比べるのが実務的です
社会保険料の会社負担は、令和8年度・一般の事業・40歳未満の場合で給与のおよそ 15% です。内訳は、健康保険料率が都道府県ごとに 9.21〜10.55%(協会けんぽ。令和8年4月から子ども・子育て支援金率 0.23% が全国一律で加わります)でその半分、厚生年金保険料率 18.3% の半分にあたる 9.15%、事業主が全額負担する子ども・子育て拠出金 0.36%、雇用保険の事業主負担 0.85%(一般の事業)、そして業種別の労災保険料率です(協会けんぽ「令和8年度の保険料率」、日本年金機構「厚生年金保険料額表」、厚生労働省「令和8年度の雇用保険料率」)。40〜64歳の従業員は介護保険料率 1.62% が加わるため、会社負担は 16% 台になります。料率は毎年度・都道府県・業種で変わるので、自社の数字で計算してください。
この概算と各社の見積もりがかけ離れていたら、その差が何の費用なのか(品質担保の仕組みか、単なる高単価か)を確認する、という使い方ができます。
法人の費用目安:規模で頼む範囲が変わる
法人の場合、従業員規模ごとに「頼むべき範囲」が変わり、それに応じて費用も変わります。
従業員数名までの小規模法人なら、記帳のみで月5,000円〜2万円台に収まることがほとんどです。月 100 仕訳前後、受取請求書が月 10〜20 枚という規模なら、月次の数字は顧問税理士の月次チェックで十分に回ります。
従業員 10 名前後からの成長期に入ると様子が変わります。受取請求書が月 50 枚を超え、経費精算の申請が毎月数十件、給与計算の対象も 2 桁になると、記帳+一部業務の委託で月 3〜10 万円のゾーンです。経理担当 1 人の採用と比較検討が始まるのもこの規模で、先ほどの「月 29 万円弱+採用費」という物差しが効いてきます。
月次決算まで任せる場合は、残高照合・調整仕訳・月次レポートまで含む範囲になります。この範囲を料金表として公開している会社は、集計した 8 社にはありませんでした(パック料金に含めるか、個別見積もり)。経理機能をまるごと外に持つ構成なので、金額は自社の業務量で決まります。相見積もりで比べるほかありません。
どの規模でも、税務申告書の作成や税務相談は税理士の独占業務のため(税理士法第2条・第52条)、経理代行会社には依頼できません。申告を外部に任せる場合は税理士との契約が別途必要になります。経理代行の費用と顧問報酬は役割が違う別の費目として予算立てしてください。役割分担の考え方は経理代行 完全ガイドで詳しく解説しています。
個人事業主の費用目安:まず記帳のみで十分
個人事業主は取引量が少ないことが多く、記帳のみ・月数千円から始められます。月 50 仕訳なら 3,000〜9,000 円程度(証憑を自社で整理するか丸投げするかで差が出ます)、月 30 仕訳前後なら 1,000〜3,000 円程度という設定もありました。
注意したいのは、費用を払う価値があるかの判断軸です。個人事業主の場合、記帳にかけている自分の時間が月何時間かを数えてみてください。月 5 時間を時給換算した金額が外注費を上回るなら、外注する経済合理性があります。確定申告は税理士(または自分)で行う前提なので、記帳データを申告に使える形で納品してもらえるか(会計ソフトの指定など)も確認しておきましょう。
内訳と「追加料金」の落とし穴
見積もりで金額そのものより重要なのが内訳の透明性です。よくあるのは「月 300 仕訳まで基本料に含み、超過は 1 仕訳ごとに加算」のような設定で、この境目の件数と超過単価が会社ごとに違います。基本料だけを見て契約すると、事業が伸びた半年後に想定外の請求額になります。導入後に費用が膨らむパターンは決まっています。
- 仕訳単価の境目が不明:「月◯仕訳まで基本料金、超過分は 1 仕訳◯円」の境目と超過単価を書面で確認する
- イレギュラー対応が別料金:過年度の修正、資料の不備対応、急ぎの依頼などの扱いを事前に確認する
- 資料の状態による割増:領収書が未整理・現金取引が多い場合の割増設定がある会社もあります。逆に言えば、証憑をデータで渡し小口現金を減らすと、費用は下げやすくなります
- 解約時の費用:引き継ぎ資料の作成費用や最低契約期間の残額など、出口の条件も契約前に確認する
費用を抑える4つの方法
- 範囲を絞って始める:最初から全般委託にせず、記帳のみ→効果を見て拡張する。導入の失敗コストも小さくなります
- 証憑をデータで渡す:チャットやスキャンでそのまま送れる会社を選ぶと、整理・郵送の手間と割増の両方が消えます
- 小口現金を廃止する:現金取引はレシート整理と現金出納帳の分だけ仕訳が重くなります。カード・振込に寄せるだけで件数と単価の両方が下がります
- AI型の経理代行を検討する:作業の大部分を AI が担う体制の会社は、品質を保ちながら価格を抑えやすい構造です。4649経理代行の記帳業務を担う 4649記帳代行もこの型で、人手中心の従来フローで 2 週間かかっていた記帳作業が 1 日に短縮された事例があります(※実際のご利用者様の事例です。納期・料金は業務内容やボリュームにより異なります)
経理代行の費用は、相場表を眺めるだけでは判断できません。自社の月間仕訳数と任せたい業務を先に確定し、概算を持って複数社の見積もりを比較する——これが適正価格で契約する最短ルートです。
なお、個別の税務判断(勘定科目の是非や消費税の取扱いなど)は税理士の業務です。個別のケースで判断に迷うときは、顧問税理士にご相談ください。
よくある質問
- Q. 見積もりの前に何を準備すればよいですか?
- 月間仕訳数(会計ソフトの仕訳帳で確認)、受取・発行する請求書の枚数、経費精算の申請件数、使っている会計ソフト名の4点です。この4点が揃っていると見積もりの精度が上がり、各社の比較もしやすくなります。
- Q. 料金の安さで選んでも大丈夫ですか?
- 単価だけで選ぶのはおすすめしません。仕訳の判断根拠が残るか、納期が明示されているか、追加料金の条件が書面で示されるかを合わせて確認してください。安くても差し戻しや確認の往復が多ければ、社内の工数がかかり実質コストは上がります。
- Q. 途中で取引量が増えたら料金はどうなりますか?
- 従量制の部分は仕訳数に比例して増えるのが一般的です。契約前に「仕訳数が増えた場合の単価」と「単価が変わる境目(例:月300仕訳以上)」を確認しておくと、事業の成長時に想定外の請求になりません。